Google アド マネージャーのアクティブ ビューのレポートを使用すると、配信された広告の視認性を追跡できます。以下では、広告枠の視認性を高めるためのヒントに加え、第三者の視認性レポートとアド マネージャーのレポートを比較する際の指針を紹介します。
アクティブ ビューのパフォーマンスを高める
以下では、アクティブ ビューの指標を最適化するためのヒントと、アクティブ ビューのレポートに表示される測定対象のインプレッション、測定可能なインプレッション、視認可能なインプレッションが少ない場合の解決方法を紹介します。アクティブ ビューによる視認性の測定方法もご参照ください。
測定対象のインプレッションの割合を改善する
- リクエストの発生元が GPT のタグなしリクエストではないことを確認します。タグなしリクエストはアクティブ ビューに対応していません。
- Chrome デベロッパー ツールを使用してアクティブ ビューの Pingback を読み取り、
&id=
パラメータを確認します。このパラメータがない場合は、GPT の実装がサポート外の方法で変更されている可能性があります。 - 広告リクエストの 15,360 文字を超える部分は切り捨てられます。
&adk=
パラメータと&adks=
パラメータが切り捨てられた場合、そのリクエスト(インプレッション)はアクティブ ビューの「測定対象外」となります。
測定可能なインプレッションの割合を改善する
- クロスドメインの iframe や、iframe を無効にして表示されるクリエイティブ、またはトラッキング ピクセルが配信されていないか確認します。この場合、アクティブ ビューの Pingback の
&bs=
パラメータは負の値になります。GPT で作成された iframe 内にクリエイティブがレンダリングされるようにしてください。GPT で作成された iframe の外部にレンダリングされるクリエイティブについては、データの測定は保証されません。 - DOM でクリエイティブ オブジェクトに測定可能なサイズが指定されていることを確認します。ページ読み込み時に非表示にされるアセットと一部のカスタム インタースティシャルについて、DOM ではクリエイティブが 0x0、0x?、?x0 として報告されることがあります。この場合、測定するピクセルがないため、測定ができません。アクティブ ビューの Pingback に含まれる
&p=
パラメータを調べて、DOM でクリエイティブのサイズがどのように設定されているかを確認することができます。クリエイティブが画面に表示されていても、リッチメディアまたはエンゲージメント クリエイティブの場合、DOM ではサイズが 0 ピクセルとして報告されることがあります。この問題を解決するには開発チームにご相談ください。 - エキスパンドや壁紙、その他のカスタム実装のクリエイティブは、JavaScript DOM での記述方法が原因で測定できないことがよくあります。このような場合は
&p=
パラメータでサイズを確認してください。 display:none;
などの CSS スタイル設定が原因で、DOM でページの読み込み時にサイズが測定不能として報告されることがあります。読み込み時に開くページを非表示にするには、ページをビューポートの外側でレンダリングした後、適切なタイミングでビューポートに移します。
視認可能なインプレッションの割合を改善する
- GPT SRA を使用している場合は、リクエストされたすべての広告申込情報をレンダリングします。
- 掲載位置ターゲティングを条件にレポートを内訳表示します。ページの上部と下部に 728x90 の広告スロットを配置している場合は、下部のスロットが原因で全体の平均視認率が下がってしまう可能性があります。
- クリエイティブの配置とユーザーの行動傾向を考慮します。一般的に、最上部にあるクリエイティブは、スクロール境界のすぐ上にあるクリエイティブよりも視認性が低くなります。ユーザーは、ページが読み込まれるとすぐに下へスクロールすることが多いため、最上部のスロットは 1 秒以内に視界から外れてしまいます。
- 「合計インプレッション数」に対して「視認可能なインプレッション数」を比較するのではなく、「アクティブ ビュー視認可能なインプレッションの割合(%)」を確認します。
- 読み込みが遅いと視認性に影響する場合があります。GPT スロットをできるだけ素早く読み込み、スロットがユーザーのビューポートに表示されるのと同時に視認性の測定が可能になるようにします。ユーザーはすぐにページをスクロールし始めることが多いため、ページが表示されたときにスロットを読み込むのではおそらく間に合いません。
- CSS(float 属性など)によりページにフローティング表示される要素がある場合、JavaScript の DOM には表示位置が反映されていない可能性があるため、視認性を測定する際に問題となります。
- ユーザーがブラウザのタブで長時間ページを開いたままにしている場合、ページに実装されている自動更新の関数では「測定可能なインプレッション数」をカウントすることはできますが、「視認可能なインプレッション数」をカウントすることはできません。
割合と制約について
アクティブ ビューの割合は、独立したイベントを使用して算出されます。これらのイベントは、技術的な制約により、送信中に失われることがあります。また、母数のインプレッション数が少ない場合、算出された割合が 0~100% の範囲外となることがあります。アクティブ ビューの SLA では以下のように定めています。- すべての割合の指標が 0~100% の範囲内に収まる
- すべての数値の指標が正の値となる
これは、キャンペーン、クリエイティブ、または顧客レベルで 1 日あたり合計 100 回以上のインプレッションがあるすべてのトラフィックに適用されます。この基準を下回る場合、エラーが発生しても本番環境での再現や隔離が難しい可能性があります。
アクティブ ビューでは、レートのエラーを監視して、レポートの問題を解決できるよう試みます。ただし、1 日 100 回のインプレッション基準を満たしているトラフィックについて、レポートで「測定可能の割合」や「視認可能の割合」の値が 0~100% の範囲外となっている場合は、サポートにお問い合わせください。
第三者の視認性レポートを比較する
アド マネージャーのレポートと第三者のレポートのデータに差異が生じる最も一般的な理由を以下に挙げます。
レポートを比較する際は、両方のレポートをクリエイティブのサイズ別に表示していることを確認してください。掲載位置によるターゲティングが利用可能な場合は、そちらも便利です。
- 視認可能なインプレッションの割合(%)指標の計算に使用される測定インプレッションの合計値が異なる
アクティブ ビューは広告サーバーに直接組み込まれているため、別途追加して使用する他の視認性ソリューションよりも多くのインプレッション数を測定できることがよくあります。第三者のツールで測定されたインプレッション数の合計(未処理データ)は、アクティブ ビューの測定可能なインプレッション数の合計に対して比較し、割合(%)の数値とは比較しないようにしてください。 - 第三者ツールにおける広告表示の待ち時間
アクティブ ビューの測定は、広告スロットが読み込まれ、アド マネージャーからクリエイティブが返された瞬間から始まります。一方、ほとんどの第三者ツールの場合、測定が可能になるのは最後のクリエイティブ アセットが表示されてからであり、アクティブ ビューの場合と比べてかなり後になる可能性があります。広告スロットが読み込まれてから最後のクリエイティブが表示されるまでの間にページから移動するユーザーがいた場合、アクティブ ビュー測定可能なインプレッション数の合計は、第三者のレポートで示される数よりも多くなります。 - CSS スタイルによる差異
アクティブ ビューではページの読み込み時に測定が可能かどうかが判定されます。CSS でページの読み込み時に要素を非表示にするように設定していると、アクティブ ビューの測定ができなくなる可能性があります。その結果、アクティブ ビュー測定可能なインプレッション数の合計は少なくなります。 - 広告リクエストとクリエイティブのレンダリング
ページ外クリエイティブでは、表示インプレッション マクロ(%%VIEW_URL_ESC%%
など)を使って後発インプレッションを記録する必要があります。設定が不適切な場合、アクティブ ビューの測定対象インプレッションと測定可能なインプレッションの合計数が減ることになります。 - MRC が許容している大きなクリエイティブの測定の幅
IAB の「ライジング スター」フォーマットのような、970x250 以上の大きなディスプレイ クリエイティブに関して、MRC(Media Rating Council)は視認性ツールのベンダーに対し、ある程度の融通性を認めています(ただしその場合ベンダーは、使用する定義を文書にしてクライアントに開示しなければなりません)。大きなディスプレイ クリエイティブの場合、ピクセルの 50% または 30% 以上が表示されていれば、そのクリエイティブのインプレッションを視認可能としてカウントできます。現在、アクティブ ビューでは、クリエイティブの 50%(242,500 ピクセル(970x250)以上のクリエイティブの場合は 30%)が表示されていれば視認可能と測定されます。第三者ツールで大きなクリエイティブの 30% が表示されたときに視認可能と測定される場合、そのサイズの視認可能なインプレッションの合計数は、第三者のレポートに比べると、アクティブ ビュー レポートでは少なくなる可能性があります。第三者ベンダーが大きなクリエイティブを独自の方法で測定しているかどうかは、ベンダーに直接お問い合わせください。